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12月6日更新!発酵食品で醸そう

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*鹿児島ヤクルト販売(株)CS推進室では、“毎月第1水曜日”に皆さまの健康に役立つ情報を発信しています*


皆さんは“醸す(かもす)”という言葉をご存じですか?

醸すとはカビや酵母、細菌などの微生物が作り出す酵素の働きによって、私たちの身体に有益な物質を作り出す働きのこと。いわゆる“発酵”です。味噌や醤油、漬物、甘酒、納豆などは皆さん良く知っている保存食ですが、これらは微生物の働きを利用した発酵食品です。

四季のある日本では、大昔から季節が変化するたびに暮らしの準備をしてきました。その中でも特に冬場の食料の確保が難しくなる北の地方などでは、新鮮な食材で保存食をつくり、長期保存することが最優先でした。高温多湿の気候の南の地方では食べ物が腐りやすいのであえて発酵させて保存食にしたりしていました。このように日本の保存食文化は、北海道から沖縄までそれぞれの地域でその風土に応じて様々なものを醸しだし、作ってきた先人たちの知恵が詰まったものなのです。

例えば味噌。その材料である大豆は秋から冬が旬です。昔は煮た大豆が腐りにくい冬から春にかけて仕込み、微生物が働きやすい夏に発酵・熟成して一年の保存食として利用してきました。味噌を作るときに必要な微生物は麹菌ですが、この菌は「日本の国菌」に認定されています。高温多湿な日本の風土に合う麹菌は、多種多様な酵素を作る特徴があり、その酵素を利用してデンプンを糖、タンパク質をアミノ酸に分解して豊かな味わいや風味を醸し出す日本独自の細菌です。カビ菌は毒を作るものが多いのですが、麹菌は毒を作る遺伝子が抜け落ちたもので、先人が発見してくれたありがたい微生物です。

この味噌のように発酵食品の製造方法と似ているのが、人のおなかに住んでいる有益な微生物(腸内細菌)の働きです。食べた物の消化吸収を助けるばかりでなく、発酵させることにより、有機酸である短鎖脂肪酸やビタミン類など体内で合成することができない多くの成分を作ってくれています。短鎖脂肪酸の代表である“酢酸”や“酪酸”は、腸のぜん動運動を高めて便通をスムーズにしてくれるばかりでなく、殺菌やバリヤ機能を高めてくれるなど、腸を守る働きがあります。ひいてはそれが、病気にかからない予防につながっているわけです。

先人たちは、知らず知らずのうちに健康につながる発酵食品を作り、それを次の世代に繋いできました。今の時代に生きている私たちは、発酵食品の良さにプラスして「おなかに有益な微生物を取り込む」ことが健康づくりにつながることをさらに広めていきましょう。