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9月3日更新!バトンを渡そう!腸内細菌のリレーション!

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*鹿児島ヤクルト販売(株)CS推進室では毎月第1水曜日に皆さまの健康に役立つ情報を発信しています


戦後80年を迎え、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。社会情勢や経済・人との関わり方や通信手段等々。その中でも大きく変わったのが「食」ではないでしょうか。戦中・戦後は「食うや食わず」の状況の中で「空腹を満たすこと」を目的としていた時代から、飽食の時代を迎え、「健康の為に何を、どれくらい食べるか」が重要視されるようになってきました。また最近では、何をどれくらいかに加え、個々に合わせた量・質を考える栄養学『精密栄養学(Precision Nutrition)」が提唱されています。この『精密栄養学』とは、個人の生活習慣や腸内環境などを考慮し、科学的エビデンスに基づいて一人ひとりに最適化された栄養管理を実現することを目的としています。

先日、この『精密栄養学』を社会実装させ、個人の健康と幸福を目指そうと取り組んでおられる、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所副所長の國澤純(くにさわ じゅん)先生のお話を聞く機会がありました。そのお話の中には遺伝子情報の活用や生活習慣の評価等、興味を惹かれるものが数多くありましたが、なかでも『腸内細菌のリレー』が心に残りました。

私たちの腸内には1000種類100兆個もの腸内細菌が住み、それぞれの特性を持って働いているのはご存知の通りです。それらは一見、各々がそれぞれで働いているように見えますが実際は、お互いが互いを補い合い、繋がり合って私たちの健康維持に寄与しているのです。

例えば最近よく耳にする「短鎖脂肪酸」。これは、酢酸・酪酸・プロピオン酸等の炭素数2~6個から成る脂肪酸で、腸内環境を整えたり免疫機能の調節をしたりと、健康維持に欠かすことのできない成分として注目されています。この短鎖脂肪酸をオリゴ糖や食物繊維などから作り出しているのが腸内細菌たちです。この腸内細菌たちが各々の仕事をそれぞれ行い、お互いが互いを補い合い繋がり合うことによって短鎖脂肪酸が出来上がるのです。つまり、どの役割をする菌が欠けてもその「リレーション」は途切れ、その先の有用成分は作られません。同じオリゴ糖や食物繊維を摂っても、同じような効果が得られない人が居るというのは、このような役割を担う菌の欠如が理由のひとつかもしれません。

「誰が欠けても、何が無くても成り立たない。」私たちの腸内はまるで人の社会と同じよう。それぞれが重要な役割を担い、そして繋がり合っている。そんな大切なことを『腸内細菌』から改めて教えられた今日この頃です。